松山市、単年度赤字2年連続 15年度一般会計
愛媛県松山市は26日、2015年度の市財政事情を公表した。一般会計決算では小中学校耐震化や子育て支援施策を強化した影響などで、財政調整基金の取り崩しなどを反映した実質単年度収支は26億5309万円の赤字で2年連続のマイナス。収入と支出の実質収支は24億2095万円で58年連続黒字を確保した。
歳入1901億232万円(前年度比2.3%増)、歳出1845億7024万円(同2.7%増)とも過去最大規模だった14年度を上回った。歳出では国の子ども・子育て支援新制度スタートによる保育施設給付が約19億7000万円増え、余土中学校移転整備事業も34億円増加。一方で大型事業に区切りのついた土木費は約8億6000万円少なくなり、農林水産業費も約6億4000万円減少した。
歳入では地方消費税交付金が税率引き上げで約41億1000万円増えたが、法人市民税は税制改正により約9億1000万円の減収。財政調整基金は、13億円取り崩し残高182億円となった。
一般、特別、企業の各会計を合計した市債残高は3250億9773万円で約30億1000万円削減し、10年連続の減少。企業債の借り入れ抑制や償還が寄与した。市民1人当たりの借入金は63万1445円で5226円少なくなった。
健全な財政運営のための市ガイドラインに基づく主な指標では、人件費や扶助費、公債費など義務的経費が普通会計に占める割合を示す経常収支比率(目標値90%未満)は87.7%で、保育施設給付が増えた影響などで1.2ポイント悪化。財政調整基金比率(同10%以上)も17.1%と1.4ポイント悪化した。